これからの時代①「AI時代の心構え」

更新日:2020年8月7日


AIを搭載したロボットの作業イメージ

 AIが社会をより便利な方に変えつつある昨今、これからどのように世界は変化してくのでしょうか。

AIは莫大なデータから結果を導き出すプログラム

 AIとは英語で”Artificial intelligence”。人間が人工的に作り出した知能のことを意味します。よく「人工知能」と和訳されています。

 物事を判断するときに私たちは、個人の過去の経験と相談することによって他者の経験も含めて最善の判断をしてきました。その営みは今後もなくなることなく続いていくでしょうが、AIは人間が判断してきた簡単な部類の判断、すなわち計算や繰り返しの判断を代替してくれるようになってきているのです。そしてその判断は人間が行うよりも早くて正確です。

 例えば、お店のレジ。小売の商店では様々な商品をお客様がランダムにとってきて会計の計算をレジに頼むわけです。そこでレジ担当者が商品を目で見て、価格を電卓に打ち込んで(あるいは暗算して)合計金額をお客様に提示し、お支払いいただきますが、次のお客様をなるべく待たせないスピードが必要となります。そして会計が間違いなく行われることが業務として一番大切ことです。疲れがたまっていく中で容赦なく整列するお客様に対し、スピードと正確性と繰り返しの作業を長時間求められる仕事が、このお店のレジという仕事です。

2019年現在の主流 バーコード読み取り式

 このような単純な計算と繰り返しの作業はAIが最も力を発揮できる分野です。2019年時点での最先端企業では無人コンビニエンスストアが稼働し、お客様は商品を手に取って、カバンにいれて、玄関を通るだけでお支払いが完了してしまいます。このコンビニエンスストアでのAIは、天井などに複数個設置されたカメラで人物と商品を認識し、どの人物がどの商品を取ったかを認識して購入商品を特定し、瞬時に電子決済をしているのです。軽減税率を含めた消費税の計算も一瞬の出来事です。

 小売業のレジに象徴されるAI導入による人件費の削減事例は、導入コストを度外視すれば経営者にとってとてもうれしい話です。これからの時代はどんどんAIを導入したサービスに切り替わっていくと断言ができます。今後レジに立つ人がいなくなるように、単純な計算や判断に関わる仕事もどんどんAIに切り替わっていくことでしょう。その方が便利で、有益で、コストダウンにつながるからです。

 このようなAIシステムを可能にしたのは、人工知能学者が「ディープラーニング」というAIが莫大な事例を学習する方法を編み出したからです。近年発達した手法です。ディープラーニングはAIを搭載したロボットを多く用意し、例えば工場内での作業をその多くのロボットにシミュレーションさせます。失敗例と成功例を写真や映像で記憶させて、どんどんデータとして蓄積をさせます。電力さえあれば疲れを知らないので24時間通して多くのロボットを使用し、その莫大なデータ収集に何倍もの速さで取り組むことができます。また、より複雑で多岐にわたる事例を学習させる際は、AIを搭載したロボット同士を向かい合わせ、対戦させたり、衝突させたり、自動運転をさせたりします。そこで得られる膨大な量の事例を蓄積しているからこそ、AIは過去に起きた成功例を現実生活で再現することができるのです。単なるAIだけでは機械的過ぎて人間生活にあった細かな部分を判断できません。そこでディープラーニングの手法をとることでより現実生活に密着した多岐にわたる判断が下せるようになったのです。これは産業革命と同じ程度の革命であり、社会がAIを利用しぬいていくようになるはずです。しかし、産業革命が巻き起こった後には、必ず弊害も起きていたということを想起せざるを得ません。

 1700年代後半から1800年代前半にかけて、イギリスで第一次産業革命が起こりました。当時人の手で行っていた作業は、水蒸気を利用した動力が発明されて、どんどん機械化されていき生産性は飛躍的に向上しました。イギリス発祥のこの技術は世界に広がり、蒸気機関車で遠くまでモノや人を運ぶことができるようになり、大きな工場に労働者をたくさん抱え込んで、短時間で大量のものを生産することができるようになりました。人々は労働による収入を得て、社会は工業製品や加工品にあふれ、とても豊かになりました。しかし、急速な発展のおかげで無理が祟ってしまったところもあるわけです。例えば、児童労働や低賃金で過酷な処遇の問題です。機械化によって、一つの仕事の熟練した技術は代替ができるようになり、高い給料を支払う熟達者よりも、低賃金のこどもや女性がターゲットとなりました。男性と比べれば体力の劣るこどもや女性が、衛生的にも過酷な現場で長時間労働を強いられるようになったのです。華やかな産業革命によってもたらされた豊かさを社会全体で称賛するので、胸が痛くなるような状況で働くこどもや女性の現状に気づくまでに時間がかかったのは当然でしょう。

 第二次産業革命は重工業化。第三次産業革命はコンピュータの発達と原子力エネルギーの活用。そして、現在の世界を大きく揺り動かすAI化、IoT化の革命。これは第四次産業革命にあたると言われています。インターネットと様々なものがつながりAIによって判断し処理される世界です。

 では、AIが導入されたインターネット世界に人類が酔いしれる中で、どんな問題が起こりうるでしょうか。これだけAIにビジネスチャンスを見出す風潮の中で、心配するべき事柄を思い描くことが私たちはできるでしょうか。しかし、道徳的には事故が起きてからではなく、あらかじめシミュレーションをして構えをとっておくべきでしょう。(つづく)

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