OpenAIが2022年11月に公開した人工知能チャットボット「ChatGPT」によって全世界のあらゆる業界に激震が起こりました。サイトにテキストベースで指示を入力すると、高性能のAIが指示を読み取り、指示に従った文章を生成し返答します。
ChatGPTのウェブサイトにログインし、
「春をテーマにした作文を400字程度で書いて下さい。」
と入力すると以下のような返答になりました。
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「春は、冬の寒さがやわらぎ、自然が新たな生命力を取り戻す季節です。桜の花が咲き、草木が芽吹き、鳥たちも歌いだします。そんな春の訪れは、人々にも新たな活力を与えます。
春は、新しい始まりの季節でもあります。新学期や新しい職場など、新しい環境でのスタートを切る人々が多くいます。また、春は結婚式や卒業式など、人生の節目のシーズンでもあります。花嫁姿や袴姿に身を包んだ人々が、春の美しい光景の中で笑顔を見せる姿は、とても感動的です。
そして、春は自然とともに過ごすことができる季節でもあります。桜の花見や、山や公園でのピクニックなど、自然を楽しむ人々がたくさんいます。また、スポーツをする人々も、春になると活発になります。野球やサッカーなどの球技や、マラソンなどのランニングなど、自然の中で体を動かすことができる機会が増えるからです。
春の訪れは、人々に明るく希望に満ちた気持ちを与えます。寒さから解放され、自然や人々と共に新しい始まりを迎える季節。そんな春の魅力に、私たちはいつも心を奪われます。」
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一読後、私は、「なんて流れるような綺麗な表現なんだ」と感じました。計測すると字数は442文字。これも指示通りです。この文章を指示後、25秒から30秒の間に作成してしまいました。私は、テクノロジーの発達への感動を覚えるのと同時に、ふいに涙がこみ上げてきました。その涙は、自分が長年蓄積してきた作文指導がもう必要のない時代になったのかもしれないという気持ちの現れでした。
2022年の暮れから、作文指導の受注が激減しました。これは高性能なAIが普及したことにすべての原因があるわけではありませんが、2023年4月現在では全く新規のお客様を迎え入れることができていません。これは大変な時代になりました。なんと破壊的なイノベーションでしょうか。私の作文指導の仕事がAIに奪われてしまった気持ちです。人間の発想する作文がAIに奪われない仕事の最後の砦だと考えていたものですから、奪われる仕事の順番が早まり、一時は精神的なショックで物事を考える力を失ってしまいました。
しかし、このまま引き下がってしまっては、今までの仕事への努力が無駄になってしまいます。なんとしてもこの絶望的とも言える苦境を打開したい。そう考えて、AIに負けない、いや、敵ではなく味方にして、AIを活用した今後の作文指導を展開していこうと決意しました。これからのChatGPTの時代に合致した新しい作文指導を、必ずや展開していこうと。
というわけで、今後はChatGPTを研究していき、AIにできて、人間にできないこと、人間にできて、AIにできないことを精査していきます。奈落の底から這いあがるつもりで、AIと人間が協力して一つの文章を作成していく術を研究し、ここに報告していきたいと思います。
