ChatGPTには文章添削能力があります。では、どれほどの添削能力があるのか、何回かに分けて検証してみたいと思います。(今回の検証は2023年4月16日時点の検証になります。将来的にどんどん性能が上がっていくと考えられます。) わざと接続詞を間違えた文章を用意しました。
「添削してください。私には兄弟がいません。だから、姉妹がいます。」
と入力しました。すると20秒ほどで、以下の回答が。
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以下ChatGPTの回答
「ご提供いただいた文面には、明確な文法上の問題はありません。ただし、文章としてより自然な表現をするためには、以下のように書き換えることができます。
『私には兄弟はいませんが、代わりに姉妹がいます。』という風に、文頭に条件を表す接続詞を加えることで文が整理されます。また、『だから』は因果関係を表す接続詞ですが、前後の文脈からは明確な因果関係が感じられないため、前述の接続詞を使用することをお勧めします。
以上の点を踏まえて、次のように書き換えることができます。
「私には兄弟はいませんが、代わりに姉妹がいます。」
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仰天しました。因果関係は人間生活の習慣や文化によって決まります。ですが、AIは判断できています。同じ親から生まれた男性同士の間柄と、同じ親から生まれた女性同士の間柄の意味をChatGPTのAIは理解していて、兄弟がいない場合、必ずしも姉妹がいるとは限らない(一人っ子かも知れない)ことを、要するに「明確な因果関係が感じられない」という表現で見事に分析しています。そして、今回の表現の違和感を解決するための接続詞の一案を提案しています。 正直に言いますと、「代わりに」による違和感も若干発生していますが、文章量が少ない分、文脈がわからず、いたしかたなかったのではないかと考えます。間違いなく違和感の度合いは和らいでいます。自分が一度書いた文章の添削は、AIでも可能なのかもしれませんが、最後に人間の目で確認も必要だと思いました。検証を始めて、いよいよ仕事がなくなってしまう実感が湧いてきます。驚愕です。
では、ここで、人間の観点でAIによる文法指導を考えてみます。 そもそも文法は人間が使う言葉が源です。辞書作りを考えてみても、日常生活で使用する言葉を拾い集めて、用例を採集します。集まった用例を、吟味に吟味を重ねて抽象化した文面を辞書に意味として掲載していくわけです。人が使っている言葉を中心に置くことに大きな意義があります。AIの場合、インターネット上で使用されている言葉を中心軸にしてアルゴリズムを介して文法を解説していくわけですが、そのアルゴリズムが人間が使用している言葉に敏感に反応して、時代によって使用方法が変わるとされる文法を、正しく選択や判断ができるのかどうかが疑問です。
したがって、今の段階での私の見解ですが、新しく言語を学習する者に対して、時代が変わっても固定的な文法を教え続けるような事態にはならないだろうかと懸念します。AIに全幅の信頼を置くのは少し立ち止まって、AI先生だけの学習になってしまわないように、少し気をつけて利用していきたいと思いました。
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